
無人島プロダクション20周年記念展
ダウン・タイムス
part 3 ひふ|Skin 2026.8.22〜9.27
―八谷和彦、八木良太、朝海陽子、加藤翼
開廊:月・金 13:00-19:00 / 土・日・祝 12:00-18:00
休廊:火・水・木
会場:無人島プロダクション
キュレーション:成相肇(東京国立近代美術館)
八谷和彦、八木良太、Chim↑Pom from Smappa!Group、風間サチコ
臼井良平、朝海陽子、田口行弘、松田修、加藤翼、小泉明郎、荒木悠
※作家は3つのパートに分かれて展示します。
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2006年5月に高円寺で設立した無人島プロダクションはこのたび20周年の節目を迎えました。
今回、無人島プロダクションの作家たちとギャラリーの20年を振り返るというコンセプトで、展覧会全体のキュレーションを成相肇氏にお願いし、3回に分けた展覧会「ダウン・タイムス」を開催します。
作品はすべて旧作による展示で、ご来場された方々にとって「過去に見た作品」もあれば「初めて見る」作品もあると思います。
この20年、作家たちが何を見つめ何と対峙し、作品として表現してきたか、私たちは何を見せてきたか、をこの機会に振り返りたいと思いました。
過去に制作された作品をあらためて今のこの世界の状況下で見せることで、新たな問いも投げかけたいと考えます。きっと今見ていただいても、作品は新鮮な驚きの伴う思考を皆さまに促すだろうと信じています。
タイトルは「ダウン・タイムス」で、「きず」「かさぶた」「ひふ」という三つのセクションに作家たちが分かれて展示します。
第2弾の作家は、Chim↑Pom from Smappa!Group、臼井良平、田口行弘、松田修です。
成人(20歳)の節目、そして21年目のスタートが「きず」から始まるのもまた無人島プロダクションらしいと思っています。実際今の社会は傷だらけです。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
そして展覧会を通して、お互いの、社会の、20年を語り合うことができれば幸いです。
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『無尽灯辞苑』より
きず【傷・疵・瑕】皮膚や肉が損じた箇所。精神的な痛手。物のこわれ損じた所。転じて、不完全な所。欠点。不名誉。界面における接触とともに生ずる。概して痛みを伴うため、触れたり直視したり想起したりすることが憚られる忌避の対象である。他方でそれゆえに見過ごされた領域として、主題においても物質的にもしばしば芸術と親近性を持つ。軽い傷に浸る感傷は昔風に言えば「おセンチ」、今風に言えば「エモ」と重複する。板の傷にインクを載せると傷を転写することができ、刺青は刻んだ傷にインクを定着させた表現。ビニール盤の傷は音となる。癒えないまま表面下に留まった傷はトラウマと呼ばれる。見過ごされた領域に価値を見出すのはまた、政治・経済も同様である。「玉に━」「━つけば━つけし者をも思え」
かさぶた【瘡蓋・痂】きずの保護と異物侵入を防ぐために生体に生ずる皮。きずから滲出した分泌液成分や壊死細胞が乾燥して固まったもの。バリア。止血の副次的産物。治癒に向かうサイン。辞書上でカザフスタンとカサブランカの間に位置するもの。剝がすと再びきずに戻る。治癒成分でなく細菌による膿を伴うかさぶたは感染症状であり、とびひ(伝染性膿痂疹)と呼ばれる。変化のさなかにある一時的・流動的・中間的な存在として、内か外か、自己か異物かがあいまいなため、汚らわしく感じられ、しばしば痒みや苛立ちを生起させる。線引きしがたいもの。風化の前にあるもの。癒える過程にありながら穢れとして認識されやすいかさぶたは、表現に強力な動機をもたらす。「われ鍋に━」「やまない雨と━にならないきずはない」
ひふ【皮膚】動物の体を包む外被。かわ。体の保護、体温・水分蒸発などの環境調節、各種の感覚の受容のほか、呼吸も営む。中央管理組織を経ずに自律して反応し、判断を行う。表皮・真皮・皮下組織と各種付属器官から成るが、表皮と真皮のみを指す場合もある。ときに未知の領域である外界に触れる最先端・最前線の役割を担う。自他を隔てる境界を作り出しながら、薄さのゆえに損じてきずになりやすい。外見を左右するため(そのとき特に肌と呼ばれる)、メディアとして様々な装飾素材・描画材・薬品の類を塗布・散布され、外面的な虚飾を指すこともある。また、ハリ、弾力、つや、うるおい、たるみ、乾燥など、あらゆる状態にまつわる形容詞を引き寄せる強烈な存在である。「面の━の千枚張り」「━は脳を待たずして知る」
(次回診察に続く)